晴れた日に降る雨のように
月夜
3年前

ずっと続いている大学のサークルの集まりは、いつも決まって第3金曜日だ。

「お疲れ!また会おうな!」

その声を聞いて、私は少しだけほろ酔いの浮かれた気持ちで、その声の主に手を振る。

「祐樹、いつも企画してくれてありがとうね!」

「おう」

昔から変わらない柔らかな整った笑顔に、私はもう慣れてしまった「なんでもないふり」の笑顔を向ける。

男4人で楽しそうに談笑するその人に、私は声だけをかけると背を向けた。

ずっと私はこの人に片思いをしている。

大学の時、同じサークルに入ってからずっと。

でも、その時には祐樹にが可愛らしい幼馴染の彼女がいた。

そんな二人をずっと見すぎて、私はいつしかその光景に慣れてしまっていた。

だから、もう慣れてしまった「好きじゃないふり」。

「秋ちゃん、じゃあまた連絡するね」

友人たちの声に私も答えると、最寄り駅に向かおうと踵を返した。

「あき」

聞きなれているはずなのに、ドキッとしてしまうのはもう仕方ないと思う。

私は小さく呼吸を整えると、ゆっくりと振り返った。
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