琥珀の中の一等星
日曜日の市(マルシェ)
 日曜日は友達二人と連れ立って、マルシェに行った。一緒に行ったのは、初等科から仲の良い、ミアとシャウラ。同い年で学校でも同じクラスだ。家は少し離れているのだが、気が合うので学校では一緒に過ごすことが多い。
 ミアはライラより少し濃い色の紺色の髪を肩で切り揃えている、背の低い子だ。ライラと同じか、それ以上に活発な女の子である。
 逆にシャウラはもう少し物静かであった。赤みを帯びた茶色い髪をいつも編んでいて、好きなことは本を読んだりすること。
 好奇心旺盛で明るいミアが先走るというばかりに駆けていって、ライラがそれに続き、あとからシャウラがついていく、というのがいつものパターンである。今回もライラの「日曜日のマルシェに行かない?」という誘いに目を輝かせたのはミアだった。
「行きたい! 行こう!」
 二つ返事であった。シャウラも「面白そうね」と乗り気のようで、「新しい栞がほしいかなぁ」なんておっとりとした口調ではあるものの言ったものだ。
 今回のマルシェはどちらかというと女性向けであったといえる。お目当てであるアクセサリーだけでなく、女性好みの手作りパンやスイーツ、ジャムなどの食べ物も扱っている。そのようなものを見るのも楽しみだった。
 お母さんへのお土産にジャムかフルーツソースでも買ってみるのも良いかもしれない、なんて、たくさんの瓶が並んでいる露店を通りながらライラは思った。
 それでもミアはまず、お目当てのアクセサリーを扱うコーナーへ行きたいらしい。さっさか歩いていってしまう。
 まぁ、それも良いことだろう。品物は良いものから売れていってしまう。早めに見たほうが選択肢は多いのだし、人気のあるようなクオリティの高いものもたくさんあるはずだ。
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