私の上司は、イケメン住職様!?~9/19に大幅修正済み~

課長side。


俺は、西園寺 龍心(さいおんじ りゅうしん)34歳。
保険会社・フェニックス社のファミリー営業課で
課長を務めている。

まぁ本職は、実家のお寺で住職をしている訳だが。
課長は、あくまで副業としてだ。
何故そんな事をやっているのか…それは、
俺には、特別な能力があるからだ。

能力と言っても祖母から受け継いだ霊力と
未来や過去…相手の心の中が見透す事が
出来る千里眼だ。

その力で分かった。
俺には、運命の人が居るって事を……。
初めて会った時は、幼い少女だった。
名前は…長谷部まどか。

可愛らしい女の子に一瞬で心を奪われる。
あ、言っておくがロリコンではないぞ?
俺が見ているのは、その先の……美しくなった
彼女の姿だ。

しかし、すぐに話しかける事は出来なかった。
その当時でも高校生だった俺。
下手に話しかけて…運命だのと公言しても
気持ち悪いだけだ。

向こうの両親に変人扱いされるだろう。
だから、遠くで見守ることしか出来なかった。
悩む俺にお祖母様が言った。

『いいかい?龍心。
運命の相手は…例え離れていても導かれるように
また出会う。だから気を病むんじゃないよ。
本当の意味で…出会いを果たすまでは』

導かれるようにまた出会うか……。
ちゃんと向き合えるような出会い方をしたい。
だから俺は…彼女に勤めるはずの
この会社を選んだ。

まぁ選んだ理由は、それだけではないけど
突然の病や事故で亡くなった人達の後悔がもっと
ちゃんとした保険に入って
おくべきだったと言う者も居た。
それに、亡くなったご家族や本人に会い
叶わなかった願いを…叶えてやりたいと思ったから

そんな俺にも
いよいよ今日その運命の日を迎えた。
やっと目の前で話が出来る。
この日をどんなに楽しみにしていただろうか。

目の前に来てくれた彼女は、昔の幼い頃と違い
綺麗に成長していた。でも、昔の面影も残っており
あの時の少女だと実感する。

懐かしい…この感覚。間違いない。
しかし彼女は、たくさんの霊を連れて現れた。
どうやら出勤途中で、連れて来てしまったらしい。

彼女は、かなりの霊媒体質だ。と言っても
彼女に霊感がある訳ではない。むしろ無い方だ。

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