そして、店の開店時間となった。

 やはり1番にルディがやってきて、その後に昨夜のメンバーが勢揃いしたところまでは想定内だったのだが。

「いらっしゃいませ!」

「いらっしゃいませ!」

「いらっしゃいませ! すみません、席が空くのをお待ち下さい」

 なんと、一般の客であっという間に席が埋まってしまったのだ。

「ミメット姉さん、お店の外に行列ができちゃいましたよ」

 エリナがひょいと顔を出し「あっ、子猫だ」と言われ、続いてその上にルディが顔を出して「わあ、隊長だ!」と言われる。

「エリナ、俺が外に出る。人が集まりすぎだ」

「お願いします」

 エリナはキッチンに戻ると、ミメットに「なにか書くものはありませんか?」と尋ねて木片を貰った。

「なにをするんだい?」

「40食分の食券を作るんです」

 もうすでに、肉を焼いて乗せれば出来上がるように皿が用意してあるので、ミメットが生姜焼きを作り始めた。そして、エリナは木片に1から40の番号を書くと、まずは店内の客に来た順に配った。

「ルディさん、この札の数だけ生姜焼きが作れます」

 狼隊長は、エリナの言うことをすぐに理解し、札を受け取ると外に並んでいる客に配り始めた。

「今夜の『青弓亭』特製定食は、豚の生姜焼きと豚汁だ。限定40食だから、来た順にこの札を配る。札が行き届かないものは、諦めてくれ」