ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
「まあ、王都で普通に暮らしているのなら、身分がどうだのということをエリナが特に気にする必要はないだろう。祖父殿とフランがひょいひょい遊びに来たら困るが……その点については、王都の警備隊長として、あとで厳重に注意をしておくつもりだ」

 ルディは、エリナの料理(そして、エリナ本人)を気に入ったふたりが、ルディの抗議を無視して今後もやってきそうな気がして、顔をしかめた。

「他になにか聞きたいことや困ったことはないか?」

「ルディさんは第一王子なのに、フランお兄ちゃんが王太子なのは……あ、王太子に向かって、お兄ちゃんって呼んだらダメですよね」

「呼べって言われたのだから、おじいちゃんでもお兄ちゃんでも構わないと思うが」
 
 むしろ呼ばないことで変に拗ねられたりしたらめんどくさい、というルディの本音も口から漏れた。

「俺が王太子ではないのには、少々特別な事情があって……」

 ルディが「ううむ」と唸ったので、紅茶のカップをテーブルに置いたエリナはパタパタと手を振った。

「あ、答えにくいことなら別に聞かなくてもいいです」

「答えにくいわけではないが、エリナに理解できるかなと……いや、賢いエリナなら大丈夫か」

 ルディもカップを置くと、事情を説明し始めた。

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