ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
「ふわあん、お日さまの匂いのモフモフだあ……」

 夢うつつの江理奈は、死んだ今ならなにも怖いものはないと、遠慮なく頬ずりをした。

「……な、だ、おま、におっ……!」

 その時、モフモフが喋った。
 響く低音の声で、ものすごく動揺しながら、喋った。
 そして、モフモフしたその生き物は、肉球のついた前脚で江理奈を押しやろうとし……失敗した。

「やだあ、わたしの素敵なモフモフなのに」

「やだあ、ではない! この子猫、俺から離れろ」

「わたしのモフモフ、もう離さない、離したくない、素敵なわたしの……」

 寝ぼけた江理奈は、ラブソングの歌詞のようなことを言いながら、離されまいと生き物にしがみつきながら半分だけ目を開けた。

「あ、これはとても素敵な肉球ね」

 江理奈は目の前の前脚を取り、自分の頬っぺたに当てて嬉しそうに笑った。

「んー、このプニプニ感が気持ちいい……な……」
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