ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 フェンリルは、エリナのベッドに乗って誘った。

「ん? ここにくるまりたくないか? 見てみろ、ここの毛はふわっとして、それはそれは気持ちが良いぞ?」

「う……うはあああっ!」

 甘い誘惑にエリナの理性は、あっけなく崩壊した。
 くたっと身体の力を抜いたエリナを、とびきりふわふわした毛が受け止めた。

「ああ、なんというモフモフ……ここは天国……モフモフに溺れる……溺れてしまって……いいの?」

「お前のような小さな子猫は、大きな生き物に守られて休まなければならないのだ。むしろ、お前の義務であると言えるな」

「子猫の義務、なの?」

「そうだ。そら、ゆっくりと眠るが良い」

 フェンリルの大きな前脚の肉球が、エリナの身体を優しくぽふぽふと叩いて眠りに(いざな)う。

「よしよし、眠れ眠れ」

 低い声でエリナに囁くフェンリルにしがみつき、顔をそのふんわりした毛並みに埋めたエリナは、幸せのあまり顔をだらしなく崩れさせながら「ふにゃあああん……」と眠りに落ちていったのであった。
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