ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 夜の定食がすべて売り切れて、ミメットとエリナは店じまいする。
 酒を飲ませる店はまだこれからがかき入れ時なのだが、若い娘(しかも、ひとりはどう見ても幼女)で切り盛りする『青弓亭』では飲み物はレモンの風味の水しか出さないので、飲みたい者は酒場に移動するのだ。

「隊長が迎えに来るまで、お茶でも飲んでいようよ」

「はい」

 警備隊員たちも、飲める店に行ってしまったので、ふたりきりでルディを待つ。彼は隊長職なので、時には一般の隊員とは別に、こなさなければならない仕事もあるのだ。

「メニューのことなんだけど、どうする?」

「そうですね……今は、カツレツ定食と生姜焼き定食があっという間に売り切れてしまう状態ですよね。新しいメニューを加えるのは、もっと落ち着いてからの方がいいんじゃないかと思います」

 接客はセルフサービスが定着していて、ふたりは調理とお勘定だけをすれば良いので、仕事に余裕が出てきている。しかしミメットは、今の儲けで充分食べていけるので、無理に収入を増やす必要はないと考えていた。
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