ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 さて、今朝の朝定食は、ベーコンとスクランブルエッグであった。

 エリナ特製の朝食は、警備隊員だけが食べられるとあって、店内はかっちりした制服に身を包んだ男性たちでむんむんしている。

「ギギリクさんもどうぞ」

 初めて朝定食を食べるギギリクに、隊員たちは「食べて驚け! ミメットは腕を上げたんだぜ」「これを食べないと力が出ないんだよな」と口々に声をかける。

「うん、これは美味い。厚切りベーコンの良さを引き出したいい焼き加減だ」

 ギギリクは満足そうに言った。ミメットは、兄に嬉しそうに言った。

「エリナの教え方が上手なんだよ。おかげで、最近は料理を作るのが楽しくなってきちゃってさ。今はこの仕事が大好きで仕方がないんだ」

 胸に紋章の入った白いエプロンを着て、嬉しそうに尻尾をぴこぴこ動かすミメットを見て、ギギリクは感慨深げに言った。

「いやまったく驚いたね。いつ冒険者に戻ろうかとうずうずしていたミメットが、こんなに料理を好きになるなんて。エリナ、ありがとう。礼を言わせてもらうよ」

「いいえ、お礼を言うのはこちらです」

 ミメットとお揃いのエプロンをつけた可愛い子猫は、精悍な山猫に言った。

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