身代わり王女の禁断の恋
釈放
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釈放

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時は数日戻って、冷え冷えとする地下牢。

翌日来ると言ったクラウスは、なぜか現れなかった。

その翌日も、その翌日も、私は食事を運んでくれる番兵としか会わない。

私は冷たい地下牢で思う。

どうしたのかしら。
約束をたがえるなんて、クラウスらしくない。

番兵は、質問には全く答えてくれないし、クラウスが来なければ、現在の状況すら分からない。

アルフはどうなったのかしら。
私がこうしてる間に理不尽な判決が下ってないといいんだけど。

地下牢では、することもなければ、気を紛らわす物すらない。

そんな中では、どうしても悪い想像ばかりが頭を巡る。

もし、アルフが有罪になったら…

王女殿下の誘拐って、どのくらいの罪になるの?

まさか斬首なんてことはないわよね?

でも、王位継承権の剥奪はあるかもしれない。

まぁ、それくらいなら、もともと王女殿下が継承すべきものだし、無くても構わないけど。

もしかして、辺境の地に飛ばされる?

そしたら…

私も付いていこう。


時間が有り余ってるから、同じことばかり堂々巡りのように考えてしまう。


せめてバイオリンがあれば、もう少し時間が経つのも早くなると思うんだけど。

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