身代わり王女の禁断の恋
目覚め
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目覚め

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その日、私が目覚めると、なぜか大勢の人間に囲まれていた。

「王女殿下! フルーナ王女!!」

何よ、クラウス。うるさいわねぇ。

そう思ったけれど、思うように声が出ない。

「クラ…ウス?」

ようやく出た私の声は、酷く掠れていた。

見ると、あの冷静沈着なクラウスが涙ぐんでいる。

「な…に?
どう…した…の?」

私は、クラウスに手を伸ばそうとして気づいた。

腕に管が繋がっている。

何、これ?

私が、その変な管を外そうとすると、いつの間にそばにいたのか、宮廷医のヨハネスに手を抑えられた。

「王女殿下、どうかそのままに。
私が分かりますか?」

分かるに決まってるじゃない。
あなた、もう10年以上、宮廷医をしてるのよ?

けれど、声がうまく出ない。

頷くことすらままならない。

私はゆっくりと瞬きをした。

「それは良かった。
どこか痛いところ、苦しいところなど
ありますか?」

痛いところ?

言われてみれば…

「あた…ま… 」

が少し。

「頭ですね。酷く痛みますか?」

私は微かに首を横に振った。

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