放課後の続き
始まり

君と出逢った日のこと

「誠ちゃ~ん。
頑張って~!!」

少年野球を楽しむ子供たちから、少し距離をおいた土手に座り

大きな声を出して応援する少女。

レースのブラウスにカーディガンを羽織り

紺のフレアスカートを身につけている。

泥にまみれて

汗臭く走り回っている少年達とは

かなりの温度差を感じる。

それでも…………

髪に着けたリボンを揺らしながら幸せそうに微笑み

手を振る姿は年相応に見える。



山本夏苗ちゃん。

お祖父様は、大臣経験もある議員さんだった。

一人娘のお母さんと結婚した、会社社長のお父さん。

テレビコマーシャルも流れる。

大手学習塾を経営している。

普段の彼女は………

ミッション系のお嬢様学校に通い

家庭教師にお稽古ごとと

小学生とは思えない程の忙しさだ。

頭もキレ、成績優秀。

見た目も美少女とくれば…………

家柄、育ちと合わせてかなりの有名人なのだ。

現に今

一回りも年の離れた俺だって知っているのだから。

そんな彼女の…………

束の間の休憩。

11才という年相応の生活が出来る時間。

たった一時間のシンデレラ。
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