放課後の続き

再会

「いやぁ、春人君。
先生は、お元気ですか?」

苦手なパーティーに参加するはめになったのは。

祖父の体調不良を隠すための、カモフラージュだ。

大病院の院長先生が倒れたと噂が流れると

院内も、院外も騒がしくなる。

そこで

孫である俺を呼び寄せたのだ。

跡継ぎのお坊ちゃんがいるともなれば………

院長の噂よりも、目の前の結婚相手が気になるはずだ。

餌に早速…………大きな獲物が食いついた。

「あぁ、これはこれは。
祖父は、至って元気なのですが…………
そろそろ将来の事を考え、お前が行けと仰せつかったんです。
私も後一年で医学部を卒業し
数年間、他の病院で経験を積んでから
跡を継ぐつもりなので……………。」

「あぁ、そうでしたか。
それは先生も安心ですね~
これはウチの娘なんです。
春人君より………若干年上なんですが…………。
親の私が言うのも恥ずかしいですが。
気立ての良い娘なんですよ。
もしお時間があるようでしたら…………………」

「綺麗なお方で………
私には、勿体ないですよ。
これからまだ、挨拶回りが残っていますので………
すみません。
失礼致します。」

若干?!

親父の方が近いであろう女性を

笑顔でかわすと…………

探していた人物に近寄る。
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