その支配は悪魔の果実
悪魔アラワル
ほろ酔いで最高にいい気分。

これで明日からの激務に勢いがつく。

名残惜しいけど、そろそろ退散せねば、、、
これ以上居座ると泥酔の域に達してしまう。

「それでは、佐野 楓、本日はこれにて引き上げます」

「もう、帰るのー?」

「気をつけるんだよ」

「寄り道しないで帰りなね」

「みなさん、ご心配痛み入ります」

ささっと会計を済ませて、色褪せた暖簾に手をかける。

「送りましょうか?お姫様」

はあ?

誰よ、こんなクッサイこと言うやつは。

振り向くと、背後におどろおどろしい様で見下ろす男。

「ふげぇっ!しゃ、、、しゃ、、社長?!」

「なんつー不細工な声出してんだよ。」

「なななな、なんで?え?ここに?え?」

「落ち着け。外出ろ」

半ば強引に外へ放り出される格好になった。

いや、ちょっと待って。

なんで?

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