【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
水面下
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『鈴はどこ?鈴はどこなの!!!!』


そう泣き叫ぶ人
弱くて弱くて大嫌いな人


でも大切な人



『どうして見つからないの?誘拐されたの?お金ならいくらでも払うから!!!』



走馬灯のように情報が流れる。

それはまるで


あの日のことを忘れないように、全ての人に埋め込むような。忘れてはならないと、言い聞かせられているような、そんな気がする



『志木?あたしどうしたらええ?』



涙を流すのはあたし



『俺らがいます。俺は貴方のそばを離れません。何があっても』


強く抱きしめられる


その力強さにさらに涙がでる





そしていつも目がさめるのだ




「やば。明るいやん」



普段は寝坊なんてしない。けど昨晩は疲れていたのだろう。死んだように眠った気がする

何より…


あいつらまだおるんかな?


勝手に帰ってくれててもいい。泉に関しては少し心配やけど、友達も来てくれたし、後はあの人たちが面倒みてくれるやろ
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