5分以内で読めるショート・ホラー集
3 交差点の着信
交差点の着信



歩行者信号が青になると、人々は歩きだす。
交差点に人が群がれば、黒髪やスーツにより、みるみる黒く塗りたくられていく。

そんな交差点を、通勤時に私は通る。


いつものように群れにまぎれ交差点を渡っていると、その着信は鳴った。
知らない番号だった。

「どちら様ですか」

数秒、無言が続いたのち、その男は口を開いた。


「今日もキレイだね」


なにこれ?

気味が悪い……。
私は通話を切り、携帯を鞄へとしまった。
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