冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました
第六章
翌朝。

「きゃあああっ!」

今日も暑くなりそうな予感を秘めた太陽、そして青い空と白い雲。部屋の窓には静かに凪いだ朝の海が煌めいて見える。そんな優雅なひとときを、私の大絶叫がぶち壊した。

な、なななんで!? なんで安西部長が……私のベッドで一緒に寝てるの!?

「ったく、うるせぇな……朝からなんだよ」

低く呻きながら目を眇め、安西部長がのそりと起き上がった。

微妙に浴衣の合わせ目が崩れた隙間から、またしてもセクシーな胸板がはらりと見えてますます狼狽える。

「ちょ、ちょっと、安西部長! なんで私のベッドにいるんですか!?」

「あぁ? コンタクト外してたから夜中にトイレ行ったときに寝ぼけたんだろ、気にすんな」

「ベッド間違えるほどそんなに目は悪くないですよね?」

コンタクトをしているのは知ってるけど、さすがにベッドを間違えるなんてことは……。

じ、じゃあ、このベッドで私、安西部長と一緒に……ああっ! 心臓に悪い。

口元を痙攣させてフルフルしている私をよそに、安西部長は両手を突き上げて呑気に大あくびをしている。
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