アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
第1話 突然の坂道
お正月もあと2か月と、差し迫った頃。

私、水久保つむぎ、24歳はこれから起こり得る、最悪な状況を予測できなかった。


「水久保さん。」

「はい。」

突然課長に呼ばれ、仕事の手を止めて、課長の元へ急いだ。

「突然で申し訳ないんだけど、人事部の部長が、君を呼んでいてね。」

「人事部!?」

あまりにも大きな声を出したから、周りの人にも、聞こえてしまった。

「す、すみません。」

「いや、いいんだ。それよりも、今、そこの会議室へ行けるか?」

「はい。」

私は席に戻ると、今作っていた資料を、パソコンに保存した。


「水久保さん、会議室ですか?」

隣の席のできる女、柳井さんが話しかけてきた。

「はい。何でも人事部の部長に、呼ばれてて。」

すると柳井さんは、私に顔を寄せた。

「私も、昨日呼ばれたんです。」

「本当ですか?どんな話だったんですか?」

「ズバリ、正社員にならないかって。」
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