ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
第一話 空腹男子に『ふわふわチーズ・オムライス』
死因――過労死。

無茶が原因で死んだ私は、魔法が存在する異世界に転生した。

前世は平々凡々の家庭だったが、今世は毎日ドレスで暮らす貴族の家庭だった。

透けるような白い肌に、アーモンド型の瞳はウサギのような赤い目。コーラルピンクの波打った髪は艶やかで、手足はすらりと長い。

私は前世の面影なんて欠片も見つからない、美少女に生まれ変わっていた。

名を、アステリア・ラ・アストライヤー。

歴史だけは無駄に長く、無駄に裕福な、アストライヤー伯爵家の三女として生を受ける。

金がありあまっているからか、両親は夜な夜なパーティーを開いたり、商人を招いて買い物三昧していたりという、贅沢な暮らしをしていた。

まるで、没落への道が決まっているような暮らしぶりであったが、十何年と続けてもアストライヤー伯爵家は傾くことはなかった。

というのも、アストライヤー伯爵家の領地は山岳地帯にあり、そのほとんどが鉱山なのだ。金銀財宝がザックザックと採れるので、金の心配は無用なのだ。

< 4 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop