明日は明日の恋をする
秘書課のお仕事
『今日は残業になりそうだからナオトと飯済ませてくる。』

進藤さんからのLINEに私は『は~い』とスタンプで返信した。

あの素敵な夜を過ごした後も私達はいつも通り過ごしているが、ひとつだけ変わった事がある。それは、寝る時は進藤さんのベッドで2人一緒に寝るようになった事だ。と言っても毎日いちゃついている訳ではなく、進藤さんは夜遅くまで仕事を確認してから寝ているようで、私は待てずにいつも先に寝てしまっていた。

ーー ガチャ

玄関の音、進藤さんが帰ってきた。それと話し声がする。高瀬さんも一緒かな?

「お邪魔します。」

やっぱり高瀬さんも一緒だった。2人はダイニングテーブルの方に座り、仕事の話を始めた。

「飲み物をお持ちしますけど、コーヒーと紅茶どちらが良いですか?」

「あっ、ミルクティーがいいな。」

「俺も同じで。」

私はミルクティーを入れて持っていく。珍しく悩んでる感じの2人。仕事のトラブルでもあったのだろうか。

私は邪魔にならないようにソファーの方に座るが、会話は聞こえてくる。

「やっぱり宮川さんか鈴里さんしか無理だろうな。でも2人ともスケジュールが…。」

「2人とも重役担当か…。居てくれるだけでいいからって他の人に頼むか?」

「いや、居るだけでいいからっていうのも失礼な話だしなぁ。ある程度短期間で仕事を把握できる人がいればいいんだけど。」

会話の内容的に秘書課の話っぽい。よく分からないが大変そう。

「あっ…ケイスケ、居るじゃん。臨機応変な対応が出来る子。」

「まさか…明日香か?」

何か私の名前を呼ばれた気がする。そして背中に感じる視線…。そっと振り返ってみると、2人とも私の方を見ていた。
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