明日は明日の恋をする
進藤さんの婚約者
進藤さんの部屋で一夜を過ごした後も、変わらずいつも通りの生活を送っている。お互い気不味くなるかと思っていたが、意外とそうでもなかった。進藤さんは仕事に追われ毎日忙しそうだ。おかげであまり会話してない気がする。

私はというと、同じくいつも通りにしているが、油断するとあの夜の事が頭に浮かんでしまうのでとにかく意識しないように気をつけている。

日曜日の朝 ーー

日曜・祝日はゆっくりしていいと言われているが、習慣化してしまったのかいつもと同じ時間に起きてリビングへ行く。コーヒーを飲もうと思って準備をしていると、進藤さんもリビングに来た。

「俺にもコーヒーを頼む。」

「はい。コーヒーはホットとアイスのどちらにしますか？」

「ホットだな。」

進藤さんの前にホットコーヒーを置くと、入れたてで熱いはずのコーヒーを顔色変えず優雅に口にした。

コーヒーを飲み終わると、進藤さんはスゥッとリビングから出て行った。そしてしばらくすると、スーツ姿で髪もバッチリセットされた進藤さんが現れた。

「まさか休日出勤ですか？」

「…まぁ、似たようなものだな。じゃあ出かけてくる。」

「はい…行ってらっしゃい。」

なんか気になる言い方…。一体どこに行くのだろう。

ピリリリリ

ピリリリリ

進藤さんが出かけてしばらくすると、私の携帯が鳴り始めた。着信を確認すると高瀬さんからだった。
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