外出の支度をしている間に、ふと、以前蓮君が設計を手掛けた施設に行ってみよう、と思い立った。
確か、ここから電車で一時間ほどの東京郊外にある大型ショッピングモールは、彼が建築会社に勤務していた時、初めて担当した案件だと聞いたことがある。


最近、まともに買い物に行くこともなかったし、都心で十分間に合ってしまうから、わざわざ足を伸ばすことを考えなかった。
でも、いい機会だ。
私の旦那様が、どれだけすごいものを創り上げる人か、改めて認識するのもいいかもしれない。


蓮君だって、あわよくば、私のナース服を見られるかも、なあんて、病院にやってきたのだ。
ここは私も、蓮君のお仕事のテリトリーに踏み込んでみても、怒られはしない。


俄然張り切った私は、一時間電車に乗って目的地に辿り着いた。
都心と違って、敷地面積は広大だ。
でも、その広い土地を横に悠々と使っていて、モール本体は四階建てと、高さはない。
外国の小さな街にあるような、お洒落な外観の建物が連なっている。
そのせいか、ちょっとしたテーマパークに来たような感覚に陥った。


『神奈川とか、東京都下の住宅街とか。近隣はファミリー世帯が多いって土地柄で。わざわざ都心まで出なくても、休日にふらっと立ち寄れる施設ってのが、根本のコンセプトだったんだ』