ホットミルク
ホットミルク

雪の結晶は恋愛を語った妖精たちです。雪の結晶と恋愛は一つだけです。また、星も同じものはありません。これらの万物は神様からの個性、賜物です。
だから、星の輝きの形に雪の結晶の形が似ていて、恋愛中の男女の目の輝きも雪の結晶の形に似ているのですって、、、。

一人の妖精の恋愛話です
ミルク砂糖を合わせて、温めてホットミルクを妖精は作りました。早速、誰かに飲んでもらいたくて人間界を見渡しました。
工場に勤めている若い男性がいました。いつも寒々しく孤独でした。紅茶の妖精はこの男性の癒しになろうと決め、飲んでもらう事にしました。そして、男性を街の屋外にあるカフェへ導きました。
 しかし男性は、カフェなど来た事がないので、何を注文したらいいか分からなく、困っていました。妖精はウエイトレスになり男性にそっと言いました。
「このホットミルクに星空を映して見て下さい。」とティーカップをテーブルに置きました。寒い夜空に星が輝きます。男性はカップを手に取り空を映しました。白い液体なのに一つの輝く星が映り、そこへはらりと粉雪が落ちていきました。星の輝きと雪の結晶とホットミルクが一つになりました。紅茶の妖精と星の輝きと雪の結晶がキャラメルティーに溶けていきます。
男性はゆっくりとホットミルクを飲みました。幸せが包んでくれるようでした。男性は暖かくなり思わず笑みがこぼれました。ミルクが包み込みます。体の芯から温まります。星と雪がはらりはらりとホットミルクにおちていきます。
 男性はティーカップから目を上げてふと前を見ると、さっきのウエイトレスと目が合いました。「お気に召しましたか。」妖精の笑顔でした。
男性の心はホットミルクに溶けました。

 それから、星のような輝きをした二人の目が、世界にたった一つの雪の結晶として証しにされました。

終わり
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