気づいて
三章

••断り


「莉央、今、いいかしら?」
叔母の声に言い知れぬ思いで・・

「はい、大丈夫です。」

「あのね、桂木さんから
あなたとの結婚の
断りの連絡がきたの。」

「・・・・・・・・・」
「莉央っ、きいてる?」
「・・・はいっ・・」
「『申し訳ありません。』
と、桂木さんは言ってた。」
「・・うっ・・・」
涙が溢れた・・・・

「姉さん達には、私な方から話すわ。」
「・・すみっ・・ま・せん・・」

「莉央・・あなたには、
長く片想いしていた子がいたのね。
その子が
あなたをかばって怪我を
したんですって?」

ああっ、凌平さんが話したんだと
思い

「は・・いっ・・」
「始めに
私に言ってくれたら良かった・・

あなた・・その人と身体の関係が
あったのね?
独身なんだから、悪いとは
思っていないのよ。

だけど、莉央は、それを隠して
嘘を桂木さんに言ったでしょ?

桂木さんは、嘘をつかれたことに
ショックを受けていたわ。
その上、莉央が病院に運ばれ彼に
寄り添う姿と二重にして。」

「えっ・・・・・」

「だけど、このまま
あなたをさけ続けるわけには
いかないと貴方が彼の病室に
入って行くのが見えたから
病室の前に行ったら
聞こえて・・きたみたいよ。

私はね。貴方達の結婚が
楽しみだった。
もちろん、貴方の両親も
桂木さんのご両親も
同じ気持ちだった。

だから、桂木さんからの
断りに納得できなくて
桂木さんに合いに病院に行ったの。

そして、桂木さん本人から
きちんと話を聞いたの。

桂木さんは、酷く悲しい、辛い顔を
していて・・・

『心から、愛して、愛される女性に
出会えたと思っていました。』
と、言っていたわ。」

莉央は、凌平の気持ちを考えると
涙が止まらなかった。
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