高嶺の花沢さんは恋の仕方がわからない
1*高嶺の花の秘密
花沢蜜実(ハナザワミツミ)、27歳の朝は早い。

――ジリリリリリッ…!

午前7時、ふとんから手を伸ばすと目覚まし時計を止めた。

ベッドから起きてカーテンを開けると、
「今日もいい天気だ」

両腕をあげて伸びをすると、その場から離れた。

トイレを済ませて洗面所で顔を洗うと、コンタクトレンズをつけた。

「コンタクトレンズ、よし」

チーズトーストとオレンジティーの朝食を済ませると、会社に行くための準備を始めた。

パジャマを脱ぐと、お気に入りのサーモンピンクのシャツと紺色のパンツスーツに着替えた。

「スーツ、よし」

次はメイクに取りかかる。

派手過ぎず、地味過ぎず、ナチュラルに…。

「メイク、よし」

最後は胸元まであるウェーブのかかった黒髪をハーフアップにして、シンプルなバレッタで留めた。

「髪型、よし」

完璧だ、今日も“デキる女”のできあがりだ。
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