高嶺の花沢さんは恋の仕方がわからない
3*夜の公園で2人きり
「はい、どうぞ。

紅茶でよかったですよね?」

缶の紅茶を差し出してきた西口くんに、
「ありがとう…」

私は彼の手からそれを受け取った。

私が紅茶を受け取ったことを確認した西口くんは少し離れると、ベンチに腰を下ろした。

誰もいない、夜の静かな公園に私と西口くんはいた。

時計台に視線を向けると、11時を過ぎたところだった。

何でこんなことになっているのだろうか?

どうして西口くんと2人きりでいるのだろうか?

そんなことを思いながらプルタブを開けて紅茶に口をつけた。

まだ冷たい紅茶が口の中に広がり、それは渇いた喉を通って、胃の中へと落ちて行った。

「落ち着きました?」

西口くんが私に話しかけてきたので、
「…はい」

私は返事をした。
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