溺愛婚姻譚〜交際ゼロ日ですが、一途な御曹司と結婚します〜
とっておきのサプライズ


それから三日が経ったある夜。
出直してくると宣言していた通り、沙也加がマンションへやって来た。

ところが博人は昨日からドバイへ出張して不在。あちらでビルドポートによるビル建設の話が持ち上がったらしく、打ち合わせも兼ねて急きょ施主と会うことになったためだ。
先方が、博人の設計した日本の建築物に興味をもち、ぜひお願いしたいと申し出があったそうだ。

インターフォン越しに博人はいないと伝えたが、それなら美華と話がしたいという。

博人は直接彼女と会ってきちんと説得すると言っていたが、あの夜の翌日からも忙しく帰ってくるのも遅かったため、それどころではなかっただろう。

美華も当事者のひとり。逃げるのもどうかと考え、部屋に上がってもらった。

今日もまた生成りに新緑が描かれた美しい着物姿だ。そして、沙也加本人もそれに劣らず美しい。

お茶を淹れて、彼女の向かいに腰を下ろす。
この前同様、沙也加から刺々しい気配も、威圧するような空気も感じない。凛とした中にもやわらかな雰囲気だ。


「率直にお聞かせください。美華さんは、博人さんをどう思っていらっしゃいますか?」

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