同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
この一言で、私が何を言いたいかが分かるだろう。
途端、坂本の表情が変わった。

坂本は入り口近くのカウンター側で固まったまま動かない。
私も窓際のこの場所から動かず、坂本との距離は約3メートル。

坂本はしばらく黙ったままだったけど、溜め息を一つ吐いてから、口を開いた。

「……確かにあれは嫌がらせって思うよな。
受験の事、先生から聞いた。本当に、ごめん」

坂本は、震える声で私に謝罪する。
でも、私はそんな坂本が許せなかった。

「……どうして?
前もお弁当の連絡網の時だって、坂本は連絡網回してくれなかったよね?
電話が繋がらなかったって、どうしてそんな見え透いた嘘吐くの?
お弁当の時は、お母さんがたまたまママ友から聞いて知っていたから何とかなったけど、この前のはいくら何でも酷いよ。

私の将来、これで変わっちゃったよ。

私立の高校なんて、学費以外にも余計な出費が沢山あるよ。
お父さん達に金銭面で余計な負担掛けちゃうじゃない!
どうしてくれるの?

通学だって、県立に受かったら近所だから朝もゆっくり出来る予定だったのに、今よりも早起きしなきゃダメなんだよ」

思い付くままに、悪態をついた。
坂本は、私の罵声を黙って聞いている。

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