同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
今はちょうど異動の時期で、良い物件が見つからないとの事で、しばらくの間はみんな我慢する事になった。

四月を迎えて私は隣町の高校へ進学し、通学の為にそれまでよりも四十分早く家を出る事になった。

路線バスも運行しているけれど、通学時間に間に合わず、引っ越し先が決まるまでは自転車での通学となる。

妹も隣町の校区外の中学校に進学し、通学は母が家を引っ越すまで送迎をしていた。

四月下旬に引っ越しする事を目標に、家の中の荷造りを始めて要らない物を処分した。

この頃から両親は、将来は田舎の古民家に住む事を考えていたのだろう。
今住んでいる家を賃貸物件にして、最小限の荷物を纏めて当初の目標通りに連休中、隣町のアパートに引っ越した。

引っ越しの準備をしている時に友人である由美に偶然見つかってしまい、携帯の連絡先を無理矢理交換させられて現在に至る。

この当時はスマホなんて持たせて貰えなくて、折りたたみ式の携帯電話を使っていた。
ちなみに私が携帯を持ったのは中学校を卒業してからだ。
新しい携帯には、両親と新しい高校と、由美の番号しか登録がない。

引っ越した先のアパートは2DKの築年数の古い物件だったけれど、学校が徒歩で十分の距離にあり、私はとても有り難かった。

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