同窓会〜あの日の恋をもう一度〜

番外編*悠太の計画

一月三日。

俺は馬鹿みたいに早起きした。

十年間初恋を引き摺った『絶賛拗らせ男』と俺の事を命名した同級生、永木からの提案で、この日遂に告白をするのだ。

年末に永木から、あの日俺が宛名書きをしたハガキを投函し、西田に必ず来るようにと念押ししたと連絡があった。

きっと西田は中学校まで歩きで来るだろうから、浅田聡子に前もって連絡を入れておく様にとも言われていた。

今回、永木からの提案は、あくまで俺と西田が二人きりで再会出来る様に計画したものだ。
邪魔をされる訳にはいかない。

みんなが集まる本当の同窓会は、この日の十九時からだ。

この会場に西田が来てくれるとは到底思えない。
だからこそ、浅田に邪魔される訳にはいかない。

俺は浅田の彼氏である矢野に連絡する。
矢野も中学時代の同級生で、就職を機に地元に帰って来た年の同窓会で浅田と再会し、付き合い始めた。

付き合い始めてから、毎年正月はお互いの実家で過ごしていると聞いており、浅田からもその話は聞いていたので変に勘ぐられる事はなさそうだ。

無料通話アプリを使い、矢野に連絡を入れて、それとなく正月のスケジュールを聞き出した。
同窓会もあるから、何も疑われる事はなかった。

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