起たたない御曹司君の恋人は魔女
7最後に教えて下さい・・・
翌日。
いつも通り起きてきたリラと結沙。
「おはようリラちゃん」
「おはようございます」
「ねぇリラちゃん、ちょっと来て」
紗良はリラの手を引いて自分の部屋に連れて行った。
「これ、リラちゃんに買ってきたの。もう寒くなって来たのに、リラちゃん薄着何だもん。是非使って」
紗良が渡してくれたのは、何着かの冬物の服だった。
温かそうな毛糸のセーターや、フリースの上着、厚手のロングスカートやパンツもある。
下に着れるヒートティックや厚手の靴下まである。
「今日はこれを着て」
紗良がリラにピンク系の可愛いカーティガンを羽織らせてくれた。
いつもリラは地味な色しか着ていなかった。
ブラウスもグレーや黒や紺で、スカートも黒系が多かった。
ピンク系のカーティガンを着ると、とても可愛く見えるリラ。
「ねぇ、ちょっと座って」
紗良はリラを鏡台の前に座らせた。
ボブヘヤーのリラの髪はちょうど、肩に着くくらいの長さになっていた。
その髪を、紗良は可愛い白とブルーのシュシュでまとめた。
ハッキリと顔が見えると、リラの綺麗な顔が引きだつ。
それに合わせてプルッとしたピンク系のリップを唇に塗ると、可愛さがひきだって、いつものリラとは全く違う雰囲気になりとても可愛くなった。
「やっぱりリラちゃんには、ピンクが似合うわね。とっても可愛い」
リラも鏡で自分を見て驚いている。
「リラちゃん、もっとオシャレ楽しんでいいのよ。着たい服を着て、メイクだって好きなようにやってみるの。女はね、メイクが出来てオシャレもできるから。男より、ずっと楽しい事が沢山あるんだから。…もう、これからは楽しめばいいのよ。何かあれば、いつでも言って。私が力を貸すわ。結ちゃんの大切な人だもの、私にとっても大切な娘と同じなのよ」
ギュッと抱きしめてくれる紗良。