起たたない御曹司君の恋人は魔女
7最後に教えて下さい・・・

 翌日。

 いつも通り起きてきたリラと結沙。


「おはようリラちゃん」

「おはようございます」

「ねぇリラちゃん、ちょっと来て」


 紗良はリラの手を引いて自分の部屋に連れて行った。



「これ、リラちゃんに買ってきたの。もう寒くなって来たのに、リラちゃん薄着何だもん。是非使って」


 紗良が渡してくれたのは、何着かの冬物の服だった。

 温かそうな毛糸のセーターや、フリースの上着、厚手のロングスカートやパンツもある。

 下に着れるヒートティックや厚手の靴下まである。


「今日はこれを着て」


 紗良がリラにピンク系の可愛いカーティガンを羽織らせてくれた。


 いつもリラは地味な色しか着ていなかった。

 ブラウスもグレーや黒や紺で、スカートも黒系が多かった。


 ピンク系のカーティガンを着ると、とても可愛く見えるリラ。


「ねぇ、ちょっと座って」


 紗良はリラを鏡台の前に座らせた。


 ボブヘヤーのリラの髪はちょうど、肩に着くくらいの長さになっていた。

 その髪を、紗良は可愛い白とブルーのシュシュでまとめた。


 ハッキリと顔が見えると、リラの綺麗な顔が引きだつ。

 それに合わせてプルッとしたピンク系のリップを唇に塗ると、可愛さがひきだって、いつものリラとは全く違う雰囲気になりとても可愛くなった。


「やっぱりリラちゃんには、ピンクが似合うわね。とっても可愛い」


 リラも鏡で自分を見て驚いている。


「リラちゃん、もっとオシャレ楽しんでいいのよ。着たい服を着て、メイクだって好きなようにやってみるの。女はね、メイクが出来てオシャレもできるから。男より、ずっと楽しい事が沢山あるんだから。…もう、これからは楽しめばいいのよ。何かあれば、いつでも言って。私が力を貸すわ。結ちゃんの大切な人だもの、私にとっても大切な娘と同じなのよ」

 ギュッと抱きしめてくれる紗良。

 
< 62 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop