きみのための星になりたい。

そしたら悠真くんは少し照れくさそうにしながらも、自分がみんなを呼び止めた意図を説明してくれた。

「あの、さ?……せっかく四人、少しずつ話せるようになってきたことだし、これからもっと仲良くなりたいじゃん?だから、もしよかったら、ゴールデンウィーク、みんなでどっかに遊びに行かねぇかなあ、なんて」

そう言って、三人の反応を確かめるように私たちの顔を交互に見る悠真くん。

……四人で遊びに、か。思えば、私は中学や高校生活の中で友人とどこかへ遊びに行ったことがゼロといっていいほどない。自分を前面に出すことなく、曖昧に笑って周りに合わせながら学生生活を送ってきた私は、遊びに誘われるほど仲のいい友達はなかなかできなかった。

強いて言えば、あかりとふたりで年に何回か出かけたくらいだろうか。

まだ悠真くんや柊斗と遊ぶのは緊張するし気が引けるものの、あかりがいれば楽しめそうな気もする。だから、この四人で遊びに行くのは悪くないかもしれない。

「なあお前ら、返事はどうなんだよ?」
「うん、いいと思う。私も遊びたい」
「あかりは賛成な。柊斗は?」
「俺もみんなと一緒に遊んでみたいな。普段友達と遊ぶなんて滅多にしないけど、みんなとだったら楽しそうだから」

各々が悠真くんの意見に同意の返事をしていく中で、みんなの顔が徐々に綻んでいく。

「よし、あとは凪ちゃん。この四人で遊びに行くっいう俺の提案なんだけど、どうかな?」

きらきらと輝く瞳を向けられ、私は思わず悠真くんから目を逸らす。自分の気持ちを口にする前に、一度唾を飲み込んだ。

「……うん、私もいいと思う」

きっと悠真くんほど遊びたい気持ちは強くないけれど、私も遊んでみるのはいいと考えていたから、私はそう口にする。

やっぱり、自分の思いを言葉にするのはいつも緊張する。今日は私の思いと実際に口に出す言葉が一致したから、愛想笑いを浮かべることもなかったと思う。

私の言葉を聞いた悠真くんは、嬉しそうに白い歯を見せて笑った。

「よっしゃ、じゃあ決まりな」

その一言に大きく頷く私たち三人。心なしかみんなとても楽しそうで、その顔を見ているとなんだか胸が暖かくなる。

この後私たちは十分ほど話し、互いの意見を出し合って日程や行き先を決めた。 といっても、私は自分から行きたい場所を発信するわけではなく、みんなの発言に同調して頷いていただけだったんだけれど。

日付けは、ゴールデンウィークの終わりの方にし、行き先は塾からもう見えている駅、つまり私とあかりの最寄り駅から三十分ほど電車に揺られたところにある、ネモフィラ畑に決定した。

ここ最近、学生にとても人気のある、絶景が見えるという噂の観光地。場所柄、当日は、晴れたらいいなあと、そう願わざるを得ない。

悠真くんと柊斗を駅前で見送り、あかりとも途中で別れ、ひとり自宅へ向かう。

月明かりにぼんやりと照らされた道を辿りながら、私はつい先程交わしたばかりのゴールデンウィークの約束を思い出す。悠真くんや柊斗と上手くやれるか心配は残るけれど、それでも久しぶりのお出かけだ。私はほんの少し緩む頰を抑えられないまま、帰路についた。
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