私だって少女漫画の〇〇になりたいっ!
ライバルと間違えられました!
次の日になると、私は朝から原田にマシンガントークで、BL本事件のことや百合ちゃんと熊谷先輩と仲良くなったということを事細かに話した。
原田はたまにツッコミを挟みながら、私の話を聞いてくれたのだった……
「…というわけだから、今日の放課後こそちゃんと課題終わるよ!」
「うん、事情はわかった。
良かったなって言いたいとこなんだけど、実は昨日橋本が帰ったあと、教室来たんだよ」
「ん? 何が?」
「真壁千尋クン」
「……っ…!?」
その名前を聞いた瞬間、ドクン…ッ!とわかりやすく鳴ってしまう心臓の音。
いやいやいや、待て待て待て……
だから私は真壁くんのこと何も知らないだろって!
おかしいんだよ、こんな風に恋する乙女みたいに"ドキッ"とかなるの。
あ……今私、恋する乙女なのか……?
「たぶん…橋本に会いに?」
「え…うそ…私、また何かやらかしたの…!?
真壁くんご立腹…!?」
「ちょっ、近いから」
原田の顔に、自分の鬼のような顔面をすぐ近くまで近づけるもんだから、原田から拒否されてしまう。
「何の用かまで聞いてないからわからんが、始業式の日のことじゃん?」
「始業式……」
居残って課題をやろうとしたところ、彼が迷子の子猫のようにやってきた。
そして初めて直接話したんだ……
あの輝きと言ったら、もう目が燃えるほどよ…!