あなたの愛に包まれて
千晃は匡祐のもとで徐々に回復をしていった。

不思議と千晃の父からの連絡もなく、千晃の心も回復していく。

足の爪もやけどもすでに治り、体の感覚もほとんど戻っている。

時々夜中にうなされて涙することがあっても、匡祐が抱きしめるとその涙も止まり、笑顔が増えた。


この時間がずっと続けばいいと二人は願わずにはいられなかった。

お互いのぬくもりで朝目が覚めて、「おはよう」と微笑み合い、他愛もない話をしながら朝食をとる。匡祐が仕事へ行っている間に千晃は剣持から料理を習っていた。

少しずつ千晃も匡祐の部屋でパソコンを使用し自分の会社の仕事も再会していた。
便利な時代で、会社に出勤をしなくてもネット環境さえあれば進められることが多かった。

そして匡祐が帰宅するとまた一日のことを報告し合い、剣持が別室へ向かうと匡祐と千晃は二人で湯船につかりながらまた話をする。
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