25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
いよいよ当日、私は8時どころか、7時半には、元自宅の前に立っていた。


前の晩、私は結局ほとんど眠ることが出来なかった。


(遠足前の小学生じゃあるまいし・・・。)


でも本当に、そんな感じで興奮していた。


そして今。この家を離れて、もう4ヶ月なのか、まだ4ヶ月なのか。どちらにしても、私の中にいろいろな感情が沸き上がって来ている。


しかしいつまでも、ここで立ってるわけにはいかない。私はインターフォンを押した。


「はい。」


「清司、おはよう。」


私を確認した次男が、なんとも嬉しそうな顔で、ドアを開けてくれる。


「ただいま。」


「お帰りって、やっぱりな。」


「えっ?」


「兄貴と賭けしてたんだ。母さんは入って来て、開口一番になんて言うかって。兄貴は『失礼します』とか『お邪魔します』とか言いそうって、言ってたんだけど、俺は絶対に『ただいま』って言うって、確信してた。」


と得意げな次男にハッとする。実はなんて言って入ろうかって、私もちょっと悩んでたんだけど、いざとなったら、自然にそう言ってた。


「とにかく上がってよ。父さんも待ってるから。」


次男に促されて、家に上がる。リビングでは隆司さんが待っていて


「おはよう、悪かったな。朝早くから。」


と言ってくる。


「おはよう。でも思ったより片付いてるね。」


と私。


「まぁな。俺達も昨日必死に掃除したし。」


「でも、まぁ60点ってとこかな。」


「厳しいな。」


私の言い草に、苦笑いの隆司さん。


「あとは私に任せて。ところで朝ご飯は?」


「トースト焼く。」


「そう。」


と答えながら、冷蔵庫を覗く。


「ハムエッグとサラダくらいはすぐ作れるかな?じゃトーストは自分達でお願いね。」


「はい。」


「お昼は炒飯、作るように材料買って来たし、鍋も持参して来ました。」


「恐縮です。」


そう言って、勝手知ったるキッチンで早速料理を始めた私を見て


「さすが、母さん。」


と次男が感嘆の声を上げていた。
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