25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
エピローグ
それから。

私はアパートを引き払い、皮肉にも、家を出た時にお世話になった引っ越し業者、スタッフの手によって運ばれることになった荷物と共にまた自宅へUターンすることになった。


恥ずかしそうに、事情を説明する私に


「それは何よりでした。」


と笑顔で言ってくれたリーダーさんの暖かさが嬉しかった。そして、借りてわずか半年足らずの部屋は、入れ替わりで次男が住むことになった。もっとも本人は


「えっ?俺、一人暮らしなんか、ヤダよ。」


とゴネていたが


「いつまでも、親に甘えてんじゃない。そんなんじゃ、いつまで経っても、彼女も出来ねぇぞ。」


と兄貴に一喝されて、しぶしぶ出て行った。


復縁(になるのかな?)報告を周囲にするのも、正直恥ずかしかった。呆れられると思ったからだが、双方の両親を始め、大方の友人、知人が喜び、祝福してくれたのはありがたかった。


「まぁ、雨降って地固まるということで、何よりじゃない。」


という反応が多かった中で


「よかったね、永遠の愛はやっぱりあったってことだね。」


と言う春希の言葉には、泣かされた。


そんな中、複雑な表情だったのは、パート先の店長だった。


「それはおめでたいことですが、ということは、退職されちゃうってことですか?」


確かに今の勤務は、独身であることを前提に契約したもので、隆司さんの妻に戻り、主婦をまた本業にするとなると、厳しい。


だけど、仕事も面白くなっているので、雇ってもらえるなら続けたい。ただ、私の「前科」もあるから、夫はいい顔をしないだろう。恐る恐るお伺いを立ててみると


「その理屈から言ったら、俺も会社辞めなきゃならないじゃん。」


と笑いながら、ひと言。結局土曜日は隔週休みで、日曜は公休。勤務時間も短縮して、週勤4.5日みたいな感じの契約に変更してもらえることになった。


「よかったです。改めて、よろしくお願いします。」


渋谷さんも嬉しそうに、そう言ってくれた。


こうして、新婚1年目以来の、夫と2人きりの生活がスタートした。
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