2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
『素敵な彼氏だよね、良介君。あんなこと言って、真奈のことが大好きで、本当に心配してくれてる』


『そう?年上なのに、なんか頼りなくって。物足りないって言うか…』


真奈は、薄手のコートを脱ぎながら言った。


女性の憧れ、サラサラの黒髪ロングのストレートヘアが、本当に綺麗だ。


濃いめの赤いリップが良く似合ってる。


大人っぽくて、王道の美人。


でも、ツンツンしたところが無い、さっぱりした良い子。


『良介君が頼りないって言うか、真奈がしっかりしすぎなんだよ』


『そうかなぁ…でも、やっぱりもうちょっとしっかりして欲しいんだよね。水無瀬社長と比べたら…ね』


真奈が、笑った。


『柊君?』


水無瀬(みなせ)って、柊君の苗字。


『自分で企業立ち上げて、成功して、あの若さですごいよ。柚葉の彼氏としても100点だし。ううん、200点だよ』


『確かに柊君はすごいけど…横にいる私が…ね』
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