2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
あなたと私の未来
『樹!早く…飛行機出ちゃうよ』


『大丈夫だ、まだ時間はある』


私達は、空港の搭乗口にいる。


もうすぐ…私達は、日本を離れる。


行先は…アメリカ。


樹が5年間暮らした場所。


景色が綺麗だって聞いたし、すごく楽しみ。


でも…


覚悟するまでは、ちょっと時間が必要だったな。


もうすぐ夏。


私は、少し前に、カフェのバイトを辞めた。


樹も…あの後しばらくして、ISを辞めた。


もちろん、お互い、お世話になった方への挨拶や、引き継ぎはキチンとした。


柊君は、新しい仕事のパートナーを迎え入れ、さらに企業拡大に力を入れた。


会社を世界一にするため、新しい環境で走り出したんだ。


やっぱり…すごい。


柊君との別れは、とても寂しかったけど、元気に頑張る柊君と、またいつか必ず会える時が来る。


樹も…そう言ってた。


それまで、お互いに頑張ろうって、柊君と約束したみたいだ。
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