しあわせ食堂の異世界ご飯５

六 お母さんの懐かしいオムライス

六　お母さんの懐かしいオムライス


　まだ太陽が昇り始めた早い時間、シャルルが元気よくアリアの部屋のドアを開けた。
「おはようございます、アリア様！　さっ、走り込みに行きますよ～！」
　らんらんと目を輝かせているシャルルとは対照的に、アリアはまだ眠たいようでベッドの上でシーツにくるまってしまっている。
　もぞもぞと動きはするけれど、力なく頭を振った。
「だめぇ、眠い……」
　さすがに時間が早すぎると、アリアは起きたくないと拒否をする。……が、ここで甘やかしてしまってはアリアの騎士としての名が廃るというものだ。
　主人がなにか間違いを犯したら、それを正すのは自分の役目。シャルルは心を鬼にして、アリアのシーツを剥いだ。