妖狐の瞳に恋をした
葛藤する想い
「翡翠と同じものをつけてもらっていいの?」

「瑠璃だからつけてもらいたいんだ。」

「あ、ありがとう・・」

嬉しいけど、そんな風に言われたら勘違いしてしまうよ・・・

「実は瑠璃にまだ言えてないことがあるんだ。」

「え、何・・・」

「前に、瑠璃がケガから目覚めた日の事を覚えているか?

 あの時、酷いケガのはずなのに何で3日で治ったのか聞いただろ。」

「うん、聞いた」

「あの時は言えなかったけど・・・俺がケガした時、酷いケガだった

 のに次の日には治っていたのを覚えているか?」

「うん、あの時なんとなく不思議に思っていたの」

「俺には治癒能力が備わっている。だから治りが以上に早いんだ。

 瑠璃がケガした時、俺は瑠璃を失いたくなくて咄嗟に俺の血を瑠璃に

 与えたんだ。そのおかげで瑠璃のケガも数日で回復したんだが・・」

「そうだったんだ・・ありがとう」

「でも、俺の血にはもう一つ重大な作用がある。」

「もう、何なの。もったいぶらないで教えて」

「妖狐になる。」

「え!?」

「俺の血を与えられたものは、妖狐、妖になってしまうんだ」


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