妖狐の瞳に恋をした
凶報
それから学校も始まり、忙しい毎日を送っていた。

気がつくと、翡翠と離れてから3か月が経とうとしていた。

デュパンからの帰り道、いつもの公園を通る。

あの楓の木の葉っぱも赤く色づいて、離れた月日の長さを知らせる

ふと、楓の木に寄りかかる人に気がついた。

「エッ、なんでいるの!?」

その姿に思わず駆け寄った。

「鴇くん、なんで・・・。」

俯いていた鴇くんが私の声に反応して顔を上げた。

その顔は涙で濡れていた。

「瑠璃様・・翡翠様が・・・」

「なに、翡翠がどうかしたの?」

「翡翠様がケガをして、意識がありません。うわ言で、ずっと瑠璃様の

 名前を呼んでいて・・・居ても立っても居られずここまで来ました。

 瑠璃様、私と一緒に翡翠様の元にお願いします。」

「そ、そんな・・・早く、早く翡翠の所に連れて行って!」

「はい!では私の手を握ってください」

鴇くんが楓の木に手をあてるとポッカリと暗い空間があき、二人でその

中に入って行った。
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