妖狐の瞳に恋をした
重なる想い
誰かが私の頭を優しく撫でている・・・

“あ、この手、知ってる・・”

「瑠璃・・・」

“え、私を呼んでる・・・この声は、私の愛しい人・・”

瞼を上げると、私を見つめる翡翠のエメラルドグリーンの瞳と

目が合った。

「え、翡翠、目が覚めたの!良かった、本当に良かった・・・」

感極まって、思わず翡翠に抱き着いてしまう。

「久しぶりに会った瑠璃は、積極的だな」

「ヤ、ヤダ、私ったら!」

翡翠に言われ、顔を真っ赤にして離れた。

「翡翠、痛い所はない?もう、大丈夫なの?」

「あぁ、瑠璃が来てくれたから大丈夫だ。瑠璃が一緒に寝てくれたら

 もっと早く治りそうなんだが・・・」

「エッ!」

「おいで・・・」

翡翠に導かれるように、腕の中にくるまれた。

翡翠の腕の中はやっぱり暖かくて、安心できた。
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