real feel
シャ食?主任と??

「緊急って、どういうことですか?」

「まぁ、残務処理、的な……。とにかく2人きりってわけじゃないから、来て」

2人きりじゃなくて、残務処理?
イチにぃでもいるのかしら。

「じゃ、迫田さん。そういう訳ですので、行って来ます……」



……どうしてこんなことに?
今、シャ食でテーブルを囲んでいるのは4人。
私の隣に佐伯主任、主任の向かい側に宮本課長。
そして課長の隣……つまり私の目の前に、高柳さん。

「しょ……コホン。主任、私の言葉が足りなかったんですね。2人だけで話がしたかったんですが。課長はまだしも、どうして蘭さんを呼んだんですか?もう広報に異動したんだから関係ない人を……」

主任と2人だけ?
私は『関係ない人』ですって?

「高柳さん、貴女が教事1課のことを色々聞きたいと言ったんですよ?俺は異動してきてまだ1年しか経ってないから、6年のキャリアがある蘭さんの方が詳しいから態々来てもらったんです。……せっかくですから遠慮なく質問したらどうですか?」

主任の態度を見てると、彼女となるべく関わりたくないって言ってたのは本気だと解る。
私の前でだからってわけじゃない。
きっと私が居ない教事1課でも、こんな接し方してるんだろうなって想像できる。

「分かりました。じゃあ蘭さんにお聞きします。佐伯主任には彼女、つまりお付き合いされている女性はいらっしゃるんでしょうか?」

……はい?
本当に残務処理なの、これ?

「あの、そんなことを私に聞かれても困ります。佐伯主任に直接お聞きになった方がいいのでは?」

「……という訳なので主任。答えてくれますか」

え、なにコレ、もしかして修羅場?
どうしてシャ食でこんな話をしないといけないのだろう。

「ハァ……。話になりませんね。どうしてそんな事を言わないといけないのか理解に苦しみます」

佐伯主任は心底呆れたように、ため息を吐いた。

< 9 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop