【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。

いつも助けてくれるよね


SIDE今宵


***


駆くんとの補習も残り数日というところ。



「今宵、最近顔がゆるんでる」


「……えっ!?」




お昼休み、教室の片隅でルイちゃんに言われて思わず両頬に手を当てる。


「駆くんとなにかあった?」



にやり、その顔の意味ってなに?


「なにかってことは……」




ううん、最近補習のあとは毎日駆くんがぎゅってしたり、キスしたり……とにかく甘い時間を……。


あぁ、まずい。
頬が熱くなっていくのがわかる。



「やっぱりぃー!」



と指さしたルイちゃんがにんまりとあたしにささやいた。


「大人の階段のぼったの!?」



「階段? 大人の、ってどの階段のこと?」



西階段と東階段を思い浮かべるあたしに白けた目を向けるルイちゃん。



「……え?」



「ううん。なんでもない。まだなんだね。なんとなくほっとしたけど」



ルイちゃんの自己完結に首をひねると「お弁当さっさと食べよ!」と呆れ笑いで急かされた。



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