【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。

選択授業と駆くん

楽しかった補習期間は終わっちゃった。



二限、選択授業。


あたしは書道で、ルイちゃんは美術。


だから美術室経由で書道室に行くんだ。




「ねぇ今宵ちょっと入って! 前の時間陶芸で湯飲み作ったんだけど見てってよ」




美術室にはいって窓側にずらりと並んでいる湯飲みに目を向けた。



「わたしのうまくない?」


「わぁ、可愛い……!」



さすが手先の器用なルイちゃん。


ルイちゃんの低学年の妹、レイちゃんにあげるからって、はじっこぐらしのペンギンの絵が描かれてる。


「売りものみたい。レイちゃん喜ぶね……!」


「ん。まぁ本当はこれが見せたかったわけじゃなくてー」



ルイちゃんの手招きに誘われてあたしは窓のほうへ歩み寄る。



「こちら、3組の選択の作品」


「三組……って」


「そう! 駆くんのあるよ!」



「駆くんって、選択美術だったんだ」


「前に絵が貼ってあったからそうだと思うよ! なんで知らないの?」


「え」


そう言いながら、涼元駆と書かれた名札を見つけた。


「あった」


「どれ……?」



ふたり、同時に身をかがめて駆くんの作品を覗き込んだ。



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