【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。

駆くんと飴玉


 ◇

六月ももうすぐ終わる。


お昼休みの教室でルイちゃんを含む友達数人で机を合わせていると。



「今宵―」と駆くんが顔をだした。


「天気いいから屋上デートしようぜー」


そんなこと、おっきい声で言わないで……!


ドアのところで手招きしている彼に、しぃーっとジェスチャーを送る。



「いってらっしゃーい」


ルイちゃんたちのにやにやとした笑みに背中を押されちゃった。



あたしは恥ずかしくて、俯きながら駆くんのところまで小走りでかけよる。


「もう……声大きいよ」


「腹減ったー」


「……聞いてないし」


< 226 / 344 >

この作品をシェア

pagetop