【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。

駆くんの変化


SIDE今宵

***



カレンダーはもう7月。半袖のセーラー服もだいぶ身に馴染んだころ。



最近の駆くんはなんだか変だ。



「……あの、駆くん?」



「……ん?」



「いや、えっと……なんでもない」



口数が減ったって思うのは、あたしの勘違いなんかじゃないと思う。



それと。


「ねぇってば! 駆くぅーん!」



道行く女子に囲まれればやきもきしちゃいそうなふるまいで対応していた彼が……最近は。



「何? 用事?」


「用ってことはないけどぉ」


「ごめん俺、急いでるから」


「駆くんー、最近つめたぁい」
「そぉだよー、全然かまってくれないじゃん」



「もうそういうのは俺じゃない人頼ってよ」



すいっと女子の輪を抜けていくの。


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