【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。

本音を聞かせて

「……今宵?」



1限終わりにルイちゃんが心配そうに顔を覗き込んだ。



「どうしたの? 暗くない?」



「あ……ううん、ぼうっとしてただけ」



に、とわずかに口角を上げて、真っ白なノートを閉じた。



……授業、何も集中できなかったな。



二限が始まってすぐ音羽くんに肩を叩かれた。




「教科書忘れたんだけど、見せてくれない?」



「うん」



二人の机をくっつけて真ん中に開いた教科書を置いた。



授業は淡々と進んでいく。



すると。


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