気づけばいつも探してた
3.美由紀
3.美由紀

美由紀が久しぶりにうちに遊びに来た。

スレンダーでスタイルのいい美由紀はどんな服装でも似合う。

軽くウェーブがかった薄茶色の髪を後ろに束ね、白い襟のついたシンプルなシャツに足の長さが引き立つグレーのパンツを合わせていた。

そして、黒いトレンチコートを羽織り、耳元には大ぶりのゴールドのアクセサリー。

顔立ちがはっきりとした二重美人なので少し地味な恰好でもくすんで見えることもない。

背も低く、ぽっちゃり体型、肩までのストレートセミロングの私には考えられないことだった。

肌が白いと七難隠すというけれど、それは私には全く当てはまらないと思っている。

それは母も同感のようだ。

「美由紀ちゃん、いらっしゃい。久しぶりだけど、その美貌は健在ねぇ。少しでもその美貌、美南に分けてくれないかしら」

母が玄関前で会釈をする美由紀に朗らかに声をかけた。

もう!いつも一言多いんだから!

私は美由紀に苦笑しながら、母の腕を小突いた。

「おばさんもお元気そうで何よりです。今日はお邪魔してしまってすみません」

「いいのよ。私も久しぶりに美由紀ちゃんに会えるの楽しみにしてたんだから。さ、入って!」

母は美由紀の肩をポンポンと叩き、早く入るよう促す。

どうして、母が私の職場同期の美由紀とそんなに親しげなのかというと、母が1年前から習い始めた韓国語教室に美由紀も来ていたから。

まさか、私の同期だとは知らず親しくなっていて、たまたま平日美由紀とランチしていたところに通りがかった母と遭遇しその事実を知った。

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