今夜、桜の木の下

運命はすぐ近くに

｢いっ、いったぁぁぁあ！！！｣


広い病室いっぱいに叫び声が響く


｢こら千夜！あんたここ病院だよ？
分かってる？そのくらい我慢しなさいよ！｣


ママは私の横で呆れた顔で私の着替えを畳んでいる


｢うぅ…だってぇ…｣


私は千夜《ﾁﾖ》 花岡高校の2年生
正確には春から2年生
今はまだ3月下旬


今まで風邪もひかず無遅刻無欠席が、私のポリシーだった。それなのに今私は現在全治2ヶ月の怪我で入院中


あーあ、皆勤賞狙えないよ



正直私はよく覚えてない、事故にあってすぐ気を失った


学校から帰る途中にトラックに跳ねられたんだって。


でも思ってたより体は頑丈だったらしく
私は今ピンピンしている


でもさすがに大型トラックに跳ねられると
怪我は割と酷かった


右足複雑骨折、首捻挫に打撲



右腕も骨折れてるから、メールするのも大変


それから私のお腹にはトラックの窓ガラスの大きな破片が刺さって、すごく危険な状態だったらしい
手術をして一命を取り留めた


でも気失ってたし、痛いとか感じることも無かった


だからその時死んでも、私は死んだことにも気づかなかったと思う


だからあんまり死ぬところだったっていう実感はないんだよね、だって本当にピンッピンしてるんだもん